その思いだけが日に日に増えていく。 首元にある綺麗な雫のネックレスを触りながら、ふと空を見上げると、灰色の雲たちが目に入る。 「雨......」 ポツリと、呟いた私。 「美雨?」 それは、前の席に座っていた繭にも聞こえたみたいで。 「ううん、なんでもないよ」 私は、そう言って繭に向けて微笑んだ。