話してしまったら。 事実を美雨が知ってしまったら。 美雨の傍にいて。 彰と和樹としょうもないことで笑って。 時々、繭にぶつぶつ言われて。 そんな今までの日常が壊れてしまうから――。 いや、違う。 俺が、本当に怖いと思ったのは。 美雨の傍にいられなくなること、だ―――。 美雨に話すのが、本当は怖い。 だから、ずっと避けてきた。 でも、それが返って美雨を苦しめてたんだな....