私たちは、保健室を出て、下駄箱に向かい、上履きから靴に履き替えて校門まで一緒に歩く。 「太陽、鞄返して?」 鞄に手を伸ばしてみるけど、なかなか返してくれない。 私の家と太陽の家は、真逆のところにある。 だから、校門でばいばいをしないといけない。 なのに。 「太陽?」 なんで鞄を返してくれないんだろう? 「行こう」 太陽は、そう言って、私の家の方に向かって歩き始めた。