「えー、この文は紫式部が――...」 先生の声が少しずつ遠くなっていく。 だめだめ...っ 手の甲を自分で抓(つね)る。 今は、古典の授業中。 私は、只今、眠気と闘っている。 私が暴れてしまった日から、さらに数日がたった。気付けば、5月が終わろうとしていた。 今年は、梅雨の始まりが遅く、雨の日があまり続かない。 ただ、それだけなのに。 それだけなのに、私はそれを。 太陽のことは、詮索するな。 そう言っているように思えてしまう――。