「美雨」 ほら。 きみはそうやって、私の大好きな声色で名前を呼ぶんだ――。 まるで、俺は大丈夫だよ、とでも言うような。 「目、帰ったら冷やさねえとな。」 私の瞼を撫でるように、ソッと触れた。 それだけなのに、ビクリと反応してしまう。 「怖い、か?」 少し傷ついたような、困ったように微笑んだ。 怖いわけ、じゃない。 怖い、わけじゃないのに....。