雨の日に傘をさして、きみにアイにくる。






「美雨」




ほら。

きみはそうやって、私の大好きな声色で名前を呼ぶんだ――。




まるで、俺は大丈夫だよ、とでも言うような。




「目、帰ったら冷やさねえとな。」




私の瞼を撫でるように、ソッと触れた。
それだけなのに、ビクリと反応してしまう。




「怖い、か?」




少し傷ついたような、困ったように微笑んだ。




怖いわけ、じゃない。
怖い、わけじゃないのに....。