――ガラガラ.... 扉を開け、近くにある椅子に座った太陽。 私も、太陽の横にある椅子に座る。 どちらも何も話さない。 たかが数秒、数分の沈黙だったのかもしれない。 でも、私には何時間もの沈黙のように思えた。 何か話そう、そう思ったとき。 「美雨」 太陽が優しい声色で、私の名前を呼んだ。 「な、に?」 「俺は、柏木と付き合ってないよ」 そうハッキリとした口調で、力強く言った。