あった。 ひとつだけ。 誰もいなくて、誰も来ない場所が。 「旧図書室に行こう? そこなら、二人になれる」 今日は、晴れてるし雨男くんは来ない。 「じゃあ、旧図書室に行くか」 「うん」 お互いの荷物を持って、教室を出る。 教室から旧図書室に向かっているけど、何もお互いに話そうとしない。 そんな沈黙の中、着いた旧図書室。