初めてのあだ名は「はなまるちゃん」だった。 ある日、幼稚園でおともだちの絵を書きましょうと先生に言われ、みんなでキャッキャと楽しく描いていた時。 あたしが入園当時から王子様と心の中で呼んでいたゆうすけ君が言った。 「リカちゃんの鼻ってまるいよね、鼻丸ちゃんだね!」 あたしは泣いた。 今思えば、4歳児にしては捻りの効いたセンスあるあだ名だなと拍手を贈りたくなる。 それ以来、ゆうすけ君はあたしの王子様ではなくなった。