『ただ
なんとなくだけど
あの病院の前に行ってみた
入る事もしなくて
ただ病院の前で
立ってるだけだった
そしたら
病院の玄関から
白髪のおじさんが
出てきたんだ
おじさんは俺にこの携帯を
渡してきて言ってきたよ』
「ここに落ちてた
君のパートナーの物だろう
彼女は悪くない
そして流れた赤ん坊も
悪くない」
『流れた?』
「流産した女性の気持ちは
男の私達にとってきっと
わからないだろう
だけどわからないけど
女性を支える力はある
そして君のパートナーは
強い気持ちと弱い気持ちが
あると私は思う
ただ流産と告げる事しか
出来なかった私を
凄い目で睨む彼女は
強い部分と
睨む目には溢れ落ちそうな
涙
弱い部分だろうね
その弱い部分を支えてやる
のが君の仕事だね
アソコの場所で
泣き崩れた彼女を見て
お節介かもしれないが
言わせてもらったよ」



