あたし彼女



『アキ

もしかして』

『・・・』

『出血してたのって』

『・・・』



















『中絶したの?』















思いもよらない

言葉だった



あまりの

ショックに

声が

出なかった






『あの体調不良は

妊娠だったの?』

『・・・』

『何で言わないの?』

『・・・・・・』

『最低だね

気まずいからって

勝手に

堕ろすなんて』














違う

違う

違う




トモ

違う




違うよ




違うよ




だけど

声が出ない

ただ

涙が出るだけ














『もぉいいよ』





トモは

アタシを

置いて

雪が降る街並みに

また

消えていった
















トモ

アタシ

堕ろしてなんか

ないよ

トモ

アタシ

産みたかったんだよ















でも

トモには

わかって

もらえなかった