來を含めて三人しかいない部活で唯一、常識人で一番まともな紅葉。
お人好しな性格が目立つせいで何かと不運体質の紅葉から電話を受けた來は嫌な予感しかしない。
野性的な感か第六感かは知らないが、紅葉の体質に負けないくらい当たるこの予感は正直感じたくもなかった。
「…もしもし」
『あ。おはようございます、センパイ』
細い声が電話口から聞こえる。
落ちく柔らかな声と言えば聞こえはいいが正直男らしさを感じさせない中性的な声だけでは性別が判断しにくい。
「んで。……何の用」
『あ、えっと。理事長からの伝言で…』
音に乗った言葉は耳を疑うもの。
朝っぱらから調子のンなよ、あのクソヤロウ……。
「チッ…」
『っあ、すみません』
「あ?別にオマエに怒ってねェよ」
出来るだけ柔らかく伝えれば、 安堵したような息をつくような音が聞こえる。


