「……なんで、名前…?」
自己紹介もまだろくにしていないのに。
不思議そうに首を傾げる美咲だが、この場面では美咲の反応の方がおかしい。
これだけ美人で学園内で有名な人物であれば名前なんて簡単に回っている。
「さあ、いいからいいから」
意味深な笑みを浮かべて、ソファーへ手招く拓真。
ようやく重要人物が全員揃ったところで、今来た三人が部屋の中に入った瞬間重たい扉が閉じる。
ガチャリと不安な音を立てて。
「ありがとう。でも、座るところ…」
「女の子に立たせるわけにわいけないでしょ?」
「おーい。アタシだって【女の子】なんだけどー?」
「オマエは例外だよ、馬鹿」
そう返されることがわかっているのに突っかかるのは昔からの癖なのだろう。
やり取りに慣れている当事者はいいが、そうではない美咲はいささか居心地が悪い。
あ、そっか。


