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そうこうしている間にも足は理事長室へと進み、とうとう扉の前まで来てしまった。



「……失礼します。桜木(サクラギ)です」

「入りなさい」



扉越しの篭った声が聞こえ、覚悟を決めて扉を開ける。

頭を下げ無駄に広い部屋を見渡しつつ理事長の前まで歩く。



もう少し年老いたと言うか年配の方を想像していた美咲にとって理事長は若いというより幼いように感じる。

本当にこの学校の理事長なのか、普段人を疑わない美咲でさえそう思うほどだ。



「…【桜木美咲(サクラギ)】さんだね。急に呼び出してすまないね」

「いえ」



それなら呼ばないでくださいよ。



胸元まである金色の緩いカールのかかった髪にコバルトブルーの瞳が魅力的な美咲は幼い頃から何かと目立つ位置にいた。



『美人』だと周りからその事を恨む人が現れるはずなのだが、誰一人として敵を作らないのは彼女の美点だろう。



「あの…。わたしが呼ばれた理由って…」

「あぁ。実は入学式のことなのだけれど」



やっぱり。思った通りだ。