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入学して一週間。
いたって普通の生活をしていた。
変わったことと言えば入学式の日に風邪をひいて休んだことぐらいで、今、自分がどうして理事長室へ向かっているのか理解が追いつかない。
つい3分ほど前に放送で呼び出しのかかった美咲 (ミサキ) は視線が痛いほど突き刺さる廊下を歩く。
「あの人だよね」
「うん。そうだと思う」
「やっぱり違うよね。なんていうかさ……」
ヒソヒソ聞こえる話し声。
やっぱり、理事長室に呼ばれるくらいだから、悪いことをしちゃったんだ。
「うんうん!女の私でも惚れるよ、アレは」
「寧ろ男に生まれ変わりたい。守ってあげたい!」
「……いや、男でもあれだけキレイだと話すのも申し訳ない」
「確かに。同じ空気吸ってるだけで感謝!」
周りから聞こえる小さな声を気にするほど今は気分が晴れていない美咲は寧ろ皆から文句や陰口を言われているのだと感じていた。


