バシッと音が響くほど叩く拓真は機嫌を損ねた來を見て本能的にヤバイと悟った。
一方呑気に声をかけた日菜は美少女だが行動が残念なヤツだった。
「…あ?…あー。入学式で派手に挨拶してた…」
「そうでーす。桜花日菜でーす!なんかぁー。【三大美女】?何て呼ばれちゃってー?やだー。もー、皆見る目ありますネっ」
「オマエの場合、美女って言うより野獣だけどな」
「は?なんか言いましたー?」
口を開けば、再び喧嘩に似たコントが始まり出す。
ふふっと効果音をつけて笑う日菜は見た目から言えばもろ來のタイプそのものだったが外見とは似ても似つかないほどポジティブを通り越してうるさい女だ。
來が黙っている間も言い合いは続き、今まで騒音としか思ってなかったがテンポのいい会話に吹き出してしまった。
「アホだろ、オマエら」
「笑った……」
「しかも、さらっと愚痴聞こえたんすけどー!?」
「チッ」
「今度は舌打ち!?え、意味わかんない!」
気持ちよく眠っていたのを起こされたのには変わりない。


