丁度、一階分の階段を上りきった頃日菜が不思議そうな声で問いかける。
「………ここの階だけ、なんか綺麗じゃね?」
確かに日菜の言う通り、掃除が行き届いている気がする。
二階のここだけが綺麗なのが逆に気味が悪く、急いで日菜に階段を上らせる。
「え、ちょ!急に押さないで、探検しようヨー!」
「やめろ。その好奇心だけで行動するオマエの悪い癖」
「だって、絶対今のなんかあったでしょー!」
「なんかある感、醸し出してるからスルーすんだよ!!!」
やや強引に上へと進め、日菜の気が済めばすぐさま帰ろうと計画を立てる。
しばらく歩き続ければ屋上へと続く扉が見える。
「鍵かかってるかな?」
「さあ。開けてみれば?」
「じゃあ、拓真オネガーイ」
今日何度目かのため息をついて、ドアノブを掴む。
使われていない扉だからサビているか、鍵がかかっているかのどちらかだと思っていたため力を込めた。


