以前の霧斗だったら、何が何でも帰宅部になっていただろう。
見ない間に成長をしていて感動を覚える。
本当は、気配りが出来てとっても優しいって。
ちゃんと僕は知ってるよ。
「うん!頑張ろう。僕、キリと一緒に出来てすごい嬉しい」
「……ん」
少しずつでいい。
優しい人ばかりの部活だから馴染んでくれると良いけど。
ニコニコと微笑む紅葉をみて、お人好しだなとつくづく思う。
モミジの方が。もっと自分を見てあげたら良いのに。
そう口にしてしまえばきっと悲しい顔で笑うんだろうと予想が出来るから言わない。
変わらない髪色にどこか遠くを見つめる瞳。儚く自由を求める紅葉は鳥籠から出ていかない小鳥のようだ。
「…おれも。同じ」
近すぎるこの距離が、たまに嫌になるね。


