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「部活?……めんどくさい」
グレーに染まった柔らかな癖のある髪の毛は目元が隠れていて見ることは出来ないがきっと細めて嫌そうな顔をしているのだろう。
低身長でいかにも根暗な外見の【吉田霧斗(ヨシダキリト)】は眠たそうな声で必死に呟く。
「でも、全員入部しないといけないんだよ?」
「……やりたくない」
ハッキリものを言えるようになったなぁ。
少々ツッコミどころの可笑しい紅葉は、先程から単語でしか会話をしていない霧斗と幼い頃からの友人で良き理解者だ。
声と同じく中性的な顔立ちに、細いながらも程よい筋肉のある紅葉は優とは違い密かに人気を集めている。
「なら、僕と同じところ入る?スケット部って言ってボランティアみたいな部活だけど」
「……えー」
「ふふ。そう言うと思った」
出来ることなら何もしたくない霧斗とは違い、人の役に立ちたい。皆が自由に暮らしてほしい。と願う紅葉にとって今の部活は心からやりたいことだった。
だからこそ、人間関係を怖がる友人に世の中には悪い人ばかりではないと言うことを教えるために誘ったのだがどうやら本人は乗り気では無いらしい。
風通りのよい中庭で、霧斗の髪に光が落ちる。


