そんな楽しい話を理事長が無視する選択肢は無く悪ノリをして【二大美女】と命名してから全校生徒がそれを称えるようになった。
そして今年は何故か三人なのだが、優はその中で二人しかまだ見たことがない。
少なからず目立つ地位にいるのだから、自分の立場を理解してほしいと思う優の心情は、どうやら優樹菜には届いていないらしい。
「あ!それと、これ。学園広いから地図ね」
「…ありがとう。…………優くん、あの森の奥って校舎があったの。というかそもそもあの森は学園中のものなの?」
ドーム五個分くらいの敷地面積を学園に支給してくれた国には悪いが、全くこの広さを上手く活用していない。
現に受け取ったA4サイズの紙にはびっしりと埋まるほど正確な地図情報が詰まっている。
「さあ?まあ理事長が良いなら良いんじゃない?」
「…そう………」
微妙に納得はしていないが、優がそういうのならそうなのだろう。
「今日の放課後。そこに来て」
「楽しいコトが出来るから」と歌うような楽しい声と共に席を立つ優。
最後に優樹菜と目が合いにこりと綺麗な笑顔を残して食堂を後にする。
「……ふふ。放課後、楽しみだなぁ」
いろんな感情の詰まったその声は生徒の言葉の中に埋もれて消えていく。


