「ウチの部活だよ。スケット部」
優樹菜までやっと届くくらいのボリュームで話す。
昼時のガヤガヤと賑わう中で周りの生徒が聞き分けることは多分不可能であろう。
その声に反応した優樹菜は時が止まったように口元まで来ていた箸が止まってしまった。
「前の先輩達が卒業してから一気に人出不足になっちゃって。一回募集出したんだけど、中々いい人居なくてさ。それで……─って。おーい。大丈夫?」
固まっていることにようやく気づいた優は、目の前で瞬きもしていない優樹菜に現実へ戻って貰おうと必死に手を叩いたり降ったりする。
最終的には頬を抓るように顔の横に手が触れた瞬間、戻ってきてしまった。
「あ。残念、もう少しだったのに」
「もう。やめてよ。それでそれで?もしかして私、入ってもいいの?」
キラキラと先程まで興味を無くしていた会話に再び目を輝かせる。
その姿が妙に愛おしく感じる優は優しく微笑み、「もちろん」と話を続けた。
「入部してほしくてわざわざ来たんだよ?」
「ふふ。嬉しい。まさか話に聞いてたクレイジーな部活に入れるなんて」
今日一番の笑顔に男女関係なく、周りの生徒がその天使のような微笑みに癒される。
もちろん、優もその中のひとりだ。


