詩羽へ


手紙を書くのは初めてでちょっと照れるけど。
頑張って書くから笑わないでね。


これは詩羽が学校にいる時に書いています。
今、詩羽は何の授業を受けているかな。


詩羽は授業中居眠りしているイメージがあるな。
なのに体育はすっごく張り切る、みたいな。


その姿、見たかったな。
きっと、とっても可愛いんだろうな。


もし僕が学校に行ったら。
詩羽と同じ教室で、あわよくば隣の席で。
教科書を見せてもらったりしながら授業を受けて。
ご飯は屋上で食べて、放課後はデートする。


学年が違うから難しいかもしれないけれど、
もし叶うならこんな生活を送ってみたかったなあ。



初めて詩羽に会った時、僕の一目惚れでした。
一目見て、好きだと思った。
きっと、詩羽じゃなかったら僕はこんなお願いしていなかったと思う。
あの日、詩羽が僕の病室に来てくれて良かった。
きっと、神様が今まで我慢した僕へのご褒美をくれたんだね。
最初は偽りでもいいから恋人になれて嬉しかった。


でも、人は欲張りだね。
もっともっとって、欲しがってしまう。
その結果、詩羽をひどく傷つけてしまった。
ごめんね。
反省しているよ。


でもその後、詩羽から告白されて。
ああ、僕は今この瞬間のために生きていたんだなって。
そう思えた。
夢みたいだと思った。
世界で一番、幸せだと思えたよ。