「爽太!!」



病室を開けて一目見た時。
最後に見た時より痩せて顔色が悪い爽太の顔を見て。
私は取り返しのつかないことをしたと後悔した。


バカだ私。
爽太には時間がないのに。
残された時間は1ヵ月より短いかもしれないのに。
自分の恥ずかしさとか意地っ張りで。
無駄にした。



「詩羽、来てくれたんだ。」



そう言っていつものように笑う姿がいとおしくて。
爽太を思いきり抱きしめた。



「う、詩羽?」



「好き。」



止まらなかった。
伝えなきゃって。
今ある時間すべてを使って伝えなきゃいけないって。



「爽太が好き。」



今度はちゃんと目を見て。
本気だよって、ちゃんと伝える。


伝わったのか、爽太はびっくりとしていて。
少し固まっていた。
何分か経った後、照れくさそうに頬を掻きながら。



「俺も、詩羽が好きだ。」