「俺、君のこと…」この続きが言えたなら






保健室を出て、彼女と並んで廊下を歩いた。




周りから凄い注目を、あびた。



考えてみればそうだ。



だって、学校で有名な危ない奴と。
見た事の無い真っ白の髪の女の子がならんで歩いているのだから注目もあびるだろう。


周りの視線が集まる中、彼女はいきなり、俺の顔を見て、


「ふふふっ❤︎」


ってなぜか笑った。





無性に可愛かった。




教室について、自分の席に座ると彼女も、ずっと使われていなかった彼女の席に座った。



自分の後ろの席なのに気づかない、俺もどうかしてたと思う。




クラスメイトの奴らも彼女を見て、





「めっちゃ可愛い〜」


「あの子がずっと来てなかった子?」


「あの、白い髪って地毛かなぁ?」






様々な声が聞こえた。


すぐに数学の授業が始まって。



俺は、心配でたまらなかった。



彼女が授業についていけるか。




ノートも、昨日の続きだし、

心配だ…



そうすると数学の先生が

「はい。この問題解いてねー」



はっ?この問題応用問題だし全然わからん。


しかも、これを彼女が解けるはずもないだろう。




「じゃぁ、島崎!これ、黒板に書いて解いてみろ」



先生は俺の事を知らない。



クラスメイトは知っているから
ヒヤヒヤしていたのだと思う。



わかんないけどなんとか、乗り切ろうと思って立ち上がろうとしたとき。






ガタッ!



「先生、私やりまーす!」



そんな声が後ろから聞こえた。


はぁ?彼女なにを言っているんだ?

無理だろ。授業に一回も出ていないのに。


彼女は、スタスタと黒板の前に行き、

サラサラと、難しい公式を書いていった。



「奥谷、お前授業出てないのに
よく出来たな。」


「先生、なめてもらったら困りますよ〜〜」


彼女は終始笑顔だった。