臆病なわたしたちは

翌日の放課後、流奈は前日と同じように透也を呼び出した。

「今度はなんだよ。」

透也は明らかに不機嫌そうな顔をして、教室を出てくる。

「なんだ、君は友達に呼び出されても嫌そうな顔をするんだな。」

「...友達か...」

今度は疲れたような顔をしてそう呟く透也を見て不思議そうな顔をした流奈に、少し離れたところで待機していた葉月が声をかけた。

「その人が杉宮君?」

「ああ、こんな真面目そうな見た目だが、委員会中にゆるキャラの落書きをするお茶目なや「おいっ!何言ってんだよ!!」

透也は、いきなり透也の目の前で暴露しだした流奈に驚き行動が遅れたが、とにかく流奈を黙らせようとするが、対する流奈は透也が自分を黙らせようとする意味がわからずに首をかしげる。

「言ってはいけないことだったのか?」

「おまえ、友達いないだろ。」

「?葉月がいる。」

「葉月?」

葉月は、自分をおいて進んでいく会話に呆然としていたが、自分の名前に反応して会話に混ざった。

「私よ。」

「ああ、あんたは藍沢の友達なのか...苦労するな。」

「ええ、お互いね。あなたも流奈の『友達』でしょ?」