透也にひととおり教わり終え、流奈が口を開く。

「杉宮とはいい友達になれそうだ。」

「今の会話のどこからそうなった!? というか呼び捨てかよ...」

「会話は弾んでいる方だと思ったんだが...君も呼び捨てでいい。」

「はぁ、おまえと話してると疲れるな...あと、呼び捨てでいいと言われても俺はおまえの名前は知らない。」

「藍沢流奈だよぉ。さあ、呼び捨てカモン。」

「さっきからたまに入ってくる、その間延びした口調はなんなんだ...?」

「そっちの方が可愛いだろう?」

「は?」

「こんな男みたいな口調より女っぽくて可愛いだろ?」

「男みたいだっていう自覚はあったのか...はぁ...それ、可愛くはないからな?」

「そうなのか?」

「むしろ普段その口調なのにいきなりそうなると気持ち悪い。」

「君は容赦がないな。残念だがこれをやめる気はない。」

「もとから話聞く気ないだろ...」


「というわけでよろしくな。」

流奈が微笑みながら手を差し出すと、透也は、よろしくしたくない、と思いながらもその手を握ってしまうのだった。