「・・・わかった」

思いの他あっさりと私を離した結児君が、真っ直ぐに私を見つめる。見られたくないのに。

「・・・23」

「ん?」

「だから、23だって言ってるの!」

別に知られたってなんの問題もないのに、言いたくないと思うのは女の性だろう。

「・・・吃驚した。めいちゃんって童顔だね」

そして単純なお世辞に、少しばかり嬉しくなるのも、きっと女の性。

「結児君が思っているよりもおばさんだから、口説くならもっと若い子にしてよね」

「なんで?」

「だから、5つも年下とかありえないの!」

どうにか自分を落ち着かせようとするけれど、それをまた乱される。5つも年下に、振り回されている。

「俺的にはありえるけど?」

「え?」

「めいちゃんが何歳でもめいちゃんには変わりない」

真っ直ぐな瞳が、私にだけ向けられる。
そんな目で見ないで欲しい。

「例え10歳離れていても、口説く予定だから」

「・・・バカみたい」