「おはよう、めいちゃん」

日曜の朝、目覚めた瞬間にしてきた匂いにつられてロフトを降りると、エプロン姿の湊結児がキッチンから出てきた。

「おはよう」

「スッピンも可愛いね」

「・・・かわ、は!?」

言われた言葉に、思わず両手で顔を覆う。

「可愛いから隠さなくてもいいのに」

「・・・」

朝から饒舌らしい男を睨む。

「めいちゃん、寝癖ついてるよ?」

「自分で直すから、近寄らないで」

当たり前のように距離を詰めようとする男に一歩下がると、何故か微笑まれた。
何なの?もしかしてドMとか?

「スキンシップは大事だよ?」

「ねえ、それより焦げ臭い」

「ん?」

「この部屋、焦げ臭いんだけど」

そう。目覚めた時から気になった匂い。

「ああ、それね。ちょっと待って」

キッチンに戻っていく湊結児をジッと見つめていると、お皿片手に戻ってきた。