化粧をいつ落とせばいいのかわからなかったけれど、お風呂から出てきたところを見計らって洗面所を借りた。
すれ違った時にした石鹸の香りに、妙に緊張したけれど、私が洗面所から戻ると部屋の電気が消されていたから、スッピンを見られずに済んだ。

明日に備えて今日はもう寝ると言った湊結児に、おやすみだけ言ってロフトに上がった。

落ち着かなくて眠れない気もしたけれど、相当疲れていたらしい私は、布団に横になった次の瞬間には、深い眠りに落ちていた。


それが私と結児君の、奇妙な共同生活の始まりだった。