顔を上げた結児君の真っ赤な瞳は、驚いたように丸くなっている。それから、その瞳が涙で滲んでいくのを見た。
全部が愛しくて、愛しくて、苦しい。
「好きだよ、結児君」
弱った身体を、大切に抱きしめる。
それから、ぐったりとした結児君をベッドまで運ぶのは一苦労だった。
何とかベッドに寝かせてからも、私の腕を掴んで離そうとしない彼を無理矢理引きはがして、机の上に散らかっていた冷却シートを一枚、その額に乗せた。
職業柄、こういう状況には強いはずなのに、いざ仕事以外で直面すると何から手を付けるべきか混乱したりする。
とにかくまずは薬だ。
結児君の鞄の中から、病院で受け取ってきた風邪薬と胃薬を取り出す。
「結児君、薬飲んで」
「・・・ん、」
水の入ったグラスを差し出すと、身体を起こした結児君は素直にそれを受け取った。
「飲める?」
錠剤を手に出して、結児君に見せる。
「うん」
「はい」

