花に美少年


だから自然と視線は下がっていき、後ろめたさに俯くと、流れていた沈黙を裂くように、苦しそうな声が耳に届いた。

「痛っ、」

「え・・・結児君!?」

顔を上げると、さっきまで私を見ていた結児君が、その場にしゃがみ込み、蹲る姿が目に飛び込んできた。

「痛っ、いたたたっ」

「え、何?どうしたの?大丈夫!?」

ずるいくらいに動かなかった足が、一瞬にして私を動かした。蹲る結児君に駆け寄り、その顔を覗く。

「結児君?お腹痛いの?」

そうだよね。だって風邪で診察に来て、それからずっと待っていて・・・私のせいだ。
丸くなる背中を摩りながら、情けなさでいっぱいになる。

「大丈夫?どこが痛い?」

苦しそうに顔を歪める姿に、自分のせいなのに泣きたくなった。最低だ。傷つけて苦しめて、それなのに甘い期待をして。こんな私が彼に相応しいわけないのに。

「ごめんね、結児君」

「・・・めいちゃん」

込み上げてくる感情に、堪らなくその頬に触れた時、それまで逸らされていた瞳が、真っ直ぐに私をとらえた。
それから、あの日私にキスしたときと同じ顔で、

「心臓が痛い」

結児君は確かにそう言った。