休み明けの火曜日、引越しの片づけで疲れ切った身体にうんざりしながらも出勤すると、ナースステーションはいつも以上に忙しそうだった。

「おはようございます」

同僚に挨拶をして、今日の動きを確認する。

「私今日、外来ですか?」

「そうなの!インフルエンザで一人休みになったから人手が足りなくて。悪いけど手伝いに入ってあげて」

「わかりました」

「昨日もだったけど、すっごい忙しいみたい」

「インフルエンザ、流行っていますもんね」

先輩と話しながら申し送りをして、内科外来へと向かう。
マスクをした老若男女で溢れる受付を通り、ナースステーションでベテラン看護師の宮田さんを捜す。
見つけるとすぐに指示を受け、診察室のフォローに回ることになった。

内科の待合スペースの正面には、4つの扉。
今日はドクターが3人だから、使われているのは3部屋。
だけど裏では全ての部屋が繋がっていて、私たち看護師は各ドクターの部屋を行き来しながら、カルテを回収や診察のフォロー、部屋の片づけなどをする。

「芽衣子先輩、ありがとうございます」

「ううん。大変そうだね」

「もう昨日からクタクタです」