-テヒョンサイド-



名前は何だったっけ。



行為をするだけ。行為が終わればさようなら。





あと何回こんな事をして金を稼がなきゃいけないんだろう。
やり出したのは自分なのに、最近虚しさが尋常じゃない。

どうしたものか。

















ウサギだ。
あのウサギ野郎のせいだ。


初めて会った時からニックネームは決まっていた。
ウサギ以外思いつかん。



性格は腹黒かったが、ウサギを顔面コピーしたようなあいつ。



そう、チョンジョングクは俺の可愛い後輩...なはずだったのだが。




なんの手違いか、今では俺と体を重ねるような関係になっている。





あぁ、本当に手違いだ。
グクのように顔が整っていれば女なんてヒョイヒョイ
集まってくるだろうに。





1度だけグクに聞いたことがあった。


「なんで俺なんだ?」と。


帰ってきた返事は、「テヒョニヒョンじゃないとダメなんです。」と。


言う相手を完全に間違っていると教えるべきか否か迷ったが。



寂しさが勝っていたその時はその優しさに漬け込んだ。






この話を聞けば俺は悪者なのかもしれない。
否定はしない。





今の時代体を売って金を作る奴なんてそうそういない。



まぁ、ここに存在するのだが。
















グクぐらいの時は俺も無垢で純粋だったはずなんだ。



汚れた体をどれだけ洗っても表面的な汚れが取れていくだけだった。