次の日,華織には

「やっぱり同じ漢字だったんだ。まぁ頑張れ!」

「人事だと思ってない?」

「うん。だって人事だもん笑」

ちょっとだけ心が軽くなった気がした。

教室に入ると隣に輝樹が座っていた。
(話しかけよう。)そう決心した時だった。

輝樹(きき)こっちこいよー
クラスの男子が言うと。

おー、いくよ。と席から立っていってしまった。
入学式の次の日なのにもう人気者じゃん。
いつ話しかけよう。ってえ?

今,ききって呼ばれた?てるきじゃない?
なーんだ。私が漢字の読みを間違えてただけか。

漢字は一緒でも読みが違うのか。安心した。
てるきであってほしいっていうのもあったはあったけど,同じクラスだし隣の席だしやっぱり避けてたこともあったからむしろてるきじゃなくて救われた。

1時限目,国語だった。授業が始まってすぐ

「シャーペンがねえわ。あ、何でもいいからあるもの良かったら貸してくれね?」

わたし、私に言ったんだよね、、、?
一瞬固まって,筆箱からシャーペンを取り出して

「はい、どーぞ。」

彼にシャーペンを渡すと

「さんきゅ!」

ニコッと笑った時の顔がてるきとダブってみえて。
(何か暑いかも。)

4月なのに暑いわけない。
休み時間トイレに行って見た私の顔は真っ赤に火照っていた。