授業は次の日からという事で入学式は担任が詳しい事を説明して終わった。

「はぁ、疲れた。」

午前中だけだったのに1日勉強詰めした気分。

「何が疲れたの」

「華織。聞いてー」

今日の事を華織に全て話した。

「それで輝樹の同姓同名がいたと。で,それで何で疲れるって言うか落ち込んでんの。まだ引きづってんの?もう結李(ゆり)は関係ないじゃん。」

「そうだけど。」

結李とは小学校の時,輝樹の事が好きだった友達だ。結李の事があって心に閉ざしたって言うのがあって,今でも遠慮してる部分はある。

結李が輝樹の事好きって知ってた。知ってたから私も輝樹が好きとか言えなくて隠してたけど,やっぱり喋りたいし小学生だから遊びたいし?

逆にそれが結李を怒らせちゃったぽくて。結李に

「私が輝樹好きって知ってるのに何であんたが仲良くしてんの!?信じらんない。私,友達と思ってて好きな人教えたのに。」

涙目で怒られてしまった。その時の結李の顔が忘れられなかった。

結李の事が好きだったからずっと友達でいたかったからだから結李に勘違いされないようにと好きの感情を心で押し殺していつの間にか話しかけられても輝樹の事を避けるようになった。

中学に上がって,輝樹が転校しちゃって本当は泣きたいはずなのに,私は真顔だったらしい。

華織が言ってた。真顔で何事も無かったようだったって。結李は号泣していて目が真っ赤になっていて。

私も本当は泣きたかったのか好きじゃなかったのか分からないぐらい何も考えてなかった。
ただ思った事は結李を見て,本当に好きだったんだなって。そんな結李を私は傷つけてしまったんだって。

喋って遊んでただけなのに何で莉夏は罪悪感をずっと抱いてないといけないわけ?って華織はいってくれる。

けど,結李の涙目で私に怒ってたことや,輝樹が転校して号泣してた結李を思い出したら,本当に申し訳なくて何も言えない。

結李も中学の途中で転校してしまったけれど,私はまだ引きづっていた。

「私が言えることじゃないけどさ,この人は好きになっていい。この人はダメ。恋愛にそんなのあるわけ?」

確かに華織の言っていることは当たってる。
でもまた結李の時みたいに誰かを好きになって誰かを傷つけるのが私は怖いだけだ。
現実から逃げようとしているだけ。

「そうだけど。」

「じゃあいいじゃん!莉夏の事は莉夏自身で決めるんだよ。誰も莉夏の人生決めていいわけじゃないんだから。遠慮しないでたまには自分の気持ちに正直になっていいんだよ?」

「ありがとう」

私はそう華織に微笑んだ。