そんな私にはお構い無しで彼は話す。


「彼女たちは、ね?
僕を裏切ったんですよ。
その度、僕はとても苦しくて...でも、仕方ないですよね、人間だもの。
......所詮、魔法使いとは、生きる時間が違う...」


...魔法使いは、魔法を手に入れることで寿命を伸ばす。


魔法使い同士闘ったり、妖精を手に入れることで魔法は手に入る。


それは自分で魔法を作りだしても同じこと。


『闇夜の創世者』との異名を持つ彼が持つ寿命は計り知れない。


元々の寿命に足されていく寿命。


彼の哀しみは如何ほどなのか。


私には計り知れないものなのかもしれない。


恋人を愛しては失う。


誰も自分と同じには生きられない。


それでも誰かを求めてしまうんだろう。


そして彼が言うには、蝋人形は彼女たちが死んだ瞬間で時間は止めてあり、彼女たちが中にいるのだという。


彼女たちの止められた時間から、彼女たちの体は腐りはしない。


それはある意味で「永遠に彼と生きること」なのかもしれない。


「そばにいるって...永遠にそばにいると言ってくれたのに...」