「ふふ、綺麗でしょう?」



たくさんの女性の蝋人形が並べられた部屋。



そこはまるで祭壇のようで。


そこで微笑む綺麗な顔の男。


未だ幼さの残る、あどけない笑みを浮かべて、


蝋人形の1つに手をかけ、その頬を撫でる。


私が長く想い続けてきた男。


いつも凪いだ私の心を揺らがす男(ひと)。


彼の『狂気』を、私は目の当たりにする。


「これは、僕の宝物なんです。
ね、とっても綺麗でしょう?」


狂気的な笑みを浮かべ、服を取り出す。


蝋人形の服を着せ替え、楽しそうにする。