「あれ?仕事は?」



そう聞くと蓮さんはビクッと肩を揺らして顔を引きつらせた。

「…昨日終わらせたから大丈夫だよ。」

と、体を離しながらぼそぼそ言っている。

終わってないんだな…。


「まぁいいや、あ!それ頼んでたやつ?」


お!と声を上げると手に下げていた紙袋を顔の目の前に差し出してきた。


「はい、どーぞ。」

「ありがと!そろそろ無くなりそうだったんだよねぇ。」


受け取りながらリビングへと案内する。


この紙袋の中身は見なくてもわかる…
私の肌に合う、日焼け止めと化粧品。

これがないと私は外に出られない。


紙袋には『AS(アス)』という黒の高級感漂うロゴが大きく印されている。


この人はどれだけ世話焼きなんだか…私のために化粧品を開発して、そこのブランドのオーナー&開発責任者になってたらしい。

しかもブランド名まで私のイニシャルにして…

今は理事長の仕事に専念してるけど、顔が知れてるから簡単に化粧品を調達できるみたい。


やり方はオーバーかもしれないけど、でも
この人のお陰で私の生活は大きく変わった…
感謝してもしきれないくらい。