向こうが何を考えているのか全く分からない…。

ただ流れる沈黙に耐えられなくなって、先に目をそらしたのは私だった。



何この状況………



男が立ち上がって、何か言いたげにこっちに近付いてきた。


「おい、仁…」


前から涼という人が声をかけるのと同時に、
私は勢いよく席を立って、走って教室を飛び出した。


……なんで、逃げてるんだろう私。



このまま家に帰ろうとも思ったけど…さすがにまずいと思い、一限目だけサボることにした。



そう決めた私は呼吸を荒らくしながら、

屋上に向かった。