作業が終わったことに気づいたのか、樹さんは
「お疲れ様です。高いところ届かなかったら言っていいからね?」っと優しく笑って言ってくれる。
「ありがとうございます。なにか本を読まれるんですか?」
「今日の本棚は読んだことのない作家さんの本多くてさ、おすすめとかある?」
バイトをはじめて一ヶ月ほど経ったが本のおすすめを訊ねれたのは初めてだったので私は少し口ごもりながらも手前にあった本をとる。
「この本とかどうですか?アメリカの作家さんのなんですけど設定が斬新で読みやすいかなと、あとこっちは少し前映画にもなった小説なんですけど語りの口調が特徴的で、でも作品の一つ前の作品では口調が全然違っていて同じ人が書いたって最初気づかなかったんですよね。こっちの詩集は…」
そこまで言ったところで私はハッと口元を抑える。
ついつい喋りすぎてしまった。ここにない本のことまで言ってどうするんだ。
「ごめんなさい、私喋りすぎてしまって…」慌てて言うと、
樹さんはそういう私の行動に逆に驚いたようだった。
「気にしなくていいのに、藤咲さん本のこと詳しいんだね。もっと話聴きたいなって思っちゃったよ、じゃあとりあえずこれ読ませて貰おうかな。」
そう言って樹さんは私が一番最初に紹介した本をとると、少しはにかんでくれた。
そして思い出したように一言付け加えた。
「そうだ、お砂糖ってあだ名は藤咲さんが付けてくれたんですよね?先週来た時皆が面白がってそう呼ぶもんだから驚いちゃって…」
「えっ…」
そんなことは全く知らなかった私は驚いて顔が熱くなってしまう。
「あっそれはすいません…
そんなつもりは無かったんですけど…」
私が何気なく呟いた一言があだ名になってしまうなんて申し訳ないし、それが洒落になっているというのも恥ずかしい。
「謝らなくて大丈夫ですよ。」
樹さんは慌ててそう言う。
「俺あだ名付けられたこと無かったからちょっと嬉しくって…」
そう言って本当に嬉しそうに頭を掻いたのは癖なのだろうか、
単純なあだ名に喜ぶ樹さんは失礼だけやはり可愛らしく、
嬉しさが伝線したような気持ちになった。
「お疲れ様です。高いところ届かなかったら言っていいからね?」っと優しく笑って言ってくれる。
「ありがとうございます。なにか本を読まれるんですか?」
「今日の本棚は読んだことのない作家さんの本多くてさ、おすすめとかある?」
バイトをはじめて一ヶ月ほど経ったが本のおすすめを訊ねれたのは初めてだったので私は少し口ごもりながらも手前にあった本をとる。
「この本とかどうですか?アメリカの作家さんのなんですけど設定が斬新で読みやすいかなと、あとこっちは少し前映画にもなった小説なんですけど語りの口調が特徴的で、でも作品の一つ前の作品では口調が全然違っていて同じ人が書いたって最初気づかなかったんですよね。こっちの詩集は…」
そこまで言ったところで私はハッと口元を抑える。
ついつい喋りすぎてしまった。ここにない本のことまで言ってどうするんだ。
「ごめんなさい、私喋りすぎてしまって…」慌てて言うと、
樹さんはそういう私の行動に逆に驚いたようだった。
「気にしなくていいのに、藤咲さん本のこと詳しいんだね。もっと話聴きたいなって思っちゃったよ、じゃあとりあえずこれ読ませて貰おうかな。」
そう言って樹さんは私が一番最初に紹介した本をとると、少しはにかんでくれた。
そして思い出したように一言付け加えた。
「そうだ、お砂糖ってあだ名は藤咲さんが付けてくれたんですよね?先週来た時皆が面白がってそう呼ぶもんだから驚いちゃって…」
「えっ…」
そんなことは全く知らなかった私は驚いて顔が熱くなってしまう。
「あっそれはすいません…
そんなつもりは無かったんですけど…」
私が何気なく呟いた一言があだ名になってしまうなんて申し訳ないし、それが洒落になっているというのも恥ずかしい。
「謝らなくて大丈夫ですよ。」
樹さんは慌ててそう言う。
「俺あだ名付けられたこと無かったからちょっと嬉しくって…」
そう言って本当に嬉しそうに頭を掻いたのは癖なのだろうか、
単純なあだ名に喜ぶ樹さんは失礼だけやはり可愛らしく、
嬉しさが伝線したような気持ちになった。
