朝、いつもアラームの音と共に目覚める。

随分と寒くなって来た事に気がついて私は慌ててクローゼットから温かい毛糸のカーディガンを出して羽織る。

洗面所に行って顔をぬるま湯でパシャパシャと洗うと トーストを焼きつつ、冷蔵庫にあったフルーツを適当に盛り付けた。
トーストに丁寧にバターを塗りつけて
1口かじるとテレビをつけて録画しておいたドラマを観ることにした。

少し考えて洗濯機を回し、まだ今日の講義には余裕があるのをいいことにインスタントのコーヒーをお気に入りのカップに注ぐ。

私が天気予報のお姉さんのワンピースに気をとられていようが、時間は待ってくれない。
ぬるくなってしまったコーヒーを急いで飲み干すと黒タイツに、ワインレッドのロングスカート 袖が丸く膨らんだ白のブラウスを着て、鏡の前に立ち、随分長くなった黒髪を少し高めに結ってから下地を丁寧に塗っていく。

時計とにらめっこしながら洗濯物を手早く干し、薄手のブラウンコートを羽織ると、
白のレースのシュシュを横目に家を後にした。