──────気がつけば、家の玄関にいた。

体中が血に塗れていて、残っているのは計り知れない快楽の後味と脱力感のみ。

うんと伸びをして、風呂場へ向かう。

血が滲みすぎて赤黒くなった服を洗濯機に放り込み、銭湯に見間違う程の大きさの浴室へ入る。

こびりついている血を洗い流し、浴槽へ浸かる。


「はぁぁああ……気持ちいい……」

じわりとした疲労が身体中に分散される。

この何とも言えない感覚が好きだ。
目を瞑れば浮いているかのような感覚になるこの感じ。

もういっそこの包み込む湯の安心感に身を任せて眠ってしまいたいと思うが、それを我慢して立ち上がる。

今日はなんだか気が進まないし、もう寝るとしよう。

寝支度を終えた私はその後、床に着いたのだった。