「「ケホッ。」」 東雲先生が準備室のドアを開けると、おもわぬほこりっぽさに二人して咳き込んだ。 「なにこれっ、けむ……っ。」 杏里が顔をしかめて言った。 「ちょっとほこりっぽくてごめん。まだ僕が来てから掃除してなくて。何かと忙しくてさー……。」 ……ちょっとどころじゃないような。 杏里も同じことを思ったのか何やら小さくつぶやいている。 改めて部屋の中を見渡した。