大内楓(オオウチカエデ)は嘘つきだ。


「ねー、楓、私のこと好き?」


「んー、好きだけど?」


…うそ。


「遥っているじゃん、友達の。」


「あぁ、あのいつも一緒にいる?」


「そう、その子。


好きな人ができたんだって。」


「ふぅん。」


「その相手誰だと思う?」


「さぁ、俺が知るわけ…」


「お前だよ!!」


無意識に握っていた右手が、見事にヒット。


楓の顔は驚きと戸惑いに歪んでいた。