向かった先には色とりどりの花が飾られている。店員であろう一人の女性が羽柴に気づいたのか、少し緊張した様子で戸惑いながら会釈する。 「い、いらっしゃい、ませ」 彼が人の良さそうな微笑みを作り込むと、女性店員は更に声が小さくなっていく。 羽柴は今までも自分の外見で面倒だと思うことが多々あった。 自分を前にした人間は、どこか緊張した様子になる。