来るかな?来るよね。

ガタッ!

来た!

フワーと、カーテンが舞い上がった。

私服で、彼女らが乗り込んできた時には、夢かと思った。

羽。

羽だ。白い羽。天使の羽。

眩い、美しい羽が、彼女らの、背中に生えている。

「来てくれてありがとう。」

僕らの、最後の勝負が始まった。







本当に、いるかな?いるよね。

ガタッ!

いた!

フワーと、カーテンが舞い上がり、 あいつらが見えた。

本当に待っていた、あいつらを見た時には、夢かと思った。

見つけてくれた。

泣きそうになった。

本当に待っていてくれた、あいつらに向かって、真面目に泣きそうになった。

「来てくれてありがとう。」

涙をこらえた。

ここから、私たちの最後の、勝負が始まった。







「いいえ。そっちこそ待っててくれてありがとう。」

「本当に、君たちだったんだ。」
恐る恐る聞かれた。

「だったら何?捕まえるの?」

「捕まえないよ。捕まえない。違う意味で捕まえるけど、」
違う意味?

「どう言う意味?」

「えっと、僕と付き合ってください!」

シンクロ!!

3人が、一斉に、告白してきた。

「は?え?私ら、敵だよ!?いいの!?」

「…いいよ。それでも、承知で、惚れたんだから。」

少しずつ近ずいてくる。

「なんで!」

ギュッ

抱きしめられた。

「理由なんてどうでもいい。君の全部に惚れたんだから!」

言葉が、胸に突き刺さる。

逃げたいけど、逃げられない。

避けられない。ふりほどけない。

なんで、こんなにも、ずっと、抱きしめて欲しい、と、思うんだろうか?


あっそうだった。

私たちは、こいつらに、惚れていたんだった。突然の事で忘れていた。

不自然に、涙が、ポロポロと、流れてきた。

「え?待っ!?ちょ?なんで?泣いてるの?私?なんで、」

「ありがとう。ありがとう。ありがとう」

自然に出ていたその言葉は、本当の言葉だと思う。

その後のことは、よく覚えていない。

私たちは、思いが通じ合い、付き合っていた。