染まらない雪



「協力?ねぇ、なんの話?」


「か、カンナには関係ないから…!」



自分を傷つけるだけだと分かっていたのに、カンナの近くに大吾がいることが嫌で昨日の約束を口に出した。


案の定、焦って声をあげた大吾。


カンナに突っ込まれて、目をそらしてそのままどこかへ行ってしまった。



…こんなことしてバカみたいだ。


あたしがどう思っていたとしても、ふたりが付き合ってしまう未来から逃げることはできないのに。



カンナと大吾が知り合わなければよかった。


仲良くならなければよかった。


そうすれば、こうなることもなかった。



でも、皮肉にもふたりを引き合わせてしまったのはあたしなんだ。


過去は変えられないと分かっていても、そう考えずにはいられなかった。