「マリ、お疲れ」
「カンナぁ…」
授業後、笑いながらあたしのところにきたカンナ。
その目には涙が浮かんでいる。
「……笑いすぎでしょ」
「ごめんごめんっ、だってハゲ先の目の前でハゲって呟くなんてバカにも程があるじゃん」
ハゲている先生だから、略してハゲ先。
…先生、ここにもあなたのことハゲって言ってる人いますよ?
「お前ほんとバカだろ」
「うるさいなぁ」
今度は大吾がこっちにやって来る。
今まではこっちに来てくれることが嬉しくてしかたなかったのに。
カンナがいるから来たのかな、なんて、醜い感情が邪魔をする。
「だってホントのことじゃん?」
「……協力してあげないよ?」
「うぉい!?」

