染まらない雪



「……しかたないから、手伝ってあげる」


「マジで!?」



相変わらず素直じゃないな。なんて思いながら、首を縦に振っていた。


嬉しそうな大吾の笑顔があたしを苦しめる。



「それで?あたしはなにをすればいいの?」



いつからだったんだろう。


大吾がカンナを好きになったのは、いつだったんだろう。


ずっと隣にいたのに、気づくこともできなかった。



「あ、明日の放課後、教室に連れてきて欲しい…です」


「高いよ?」


「…ジュース奢る」


「それだけー?」



この話題から早く離れたくてちょっとおどけてみた。


こんな話、していたくない。


いつもみたいに、ただバカやって笑っていたい。