染まらない雪



歩きながら窓の外を見れば、すこし雪が舞っていた。


雪、かあ…。



いつもふたりで帰っていたのに、今日はひとりぼっちだ。


ふたりはもう帰ったのかな。

まだ教室で話しているのかな。


気になって下駄箱を除けばそこには上履きがのこされていた。



雪が降ったらふたりではしゃいで、ふたりそろって風邪ひいて。


雪が積もったら雪だるま作ろう、なんて朝から叩き起こして鼻水垂らしながら作って。


その間もずっとドキドキしてた。


恋が、ものすごく楽しかった。



手のひらに乗った雪がそのまま溶けていく。


全部全部、あたし色に染まってしまえばよかったのにな。