「―――忘れかけてた想いが、あの日一気によみがえった」



宮野はそう言って、佳苗をみた。



「・・・すぐに理穂と別れなくてすまない」



「・・・」



佳苗はフーっと息をついた。



「―――あなたは昔から優柔不断だから」



「佳苗・・・」



「・・・私、辛かったんだからね」



堪えていた涙が一気に溢れ出した。